ドイツでのヴァイオリンレッスン【3】

バイオリン

今回は、ようやく始まったドイツでのバイオリンのレッスンの様子を少し詳しくお話します。
エルネ・セベスチェン先生のレッスンにようやく楽器を持って行ける様になった私は、こう尋ねられます。「タカオ、バイオリンはどんな風に構えるのかな?
そこで私は、「えーっと、肩と顎の間に挟んで・・・・」とか何とか言って口籠っていると、先生は決然と「バイオリンは肩の延長として構えるんだよ。」と言いました。これは、どう考えるか以外と難しい言葉です。もし、本当に肩の延長として構えてしまうと、バイオリンの渦巻きは随分と左の方にいってしまうことになります。ですから、彼が言っているのは構える角度の話ではなくて、構えるときの身体感覚についてこういう風に言っていたのだと思います。
しかしながら、あまりに極端に楽器を前に突き出す様な構え方は、シフティングの為にもボウイングの為にも良くないと思います。実際、その様な構え方の弟子に先生はよく「こらこら!腹の上で弾くんじゃない。」と言っていました。
次に、先生は私に「じゃあタカオ、ボウイングはどういう風にするのかな?」と問います。
私は、もう観念して「よく分かりません。」と答えました。すると彼は少しニヤっと笑ってからすぐに真顔になって「ボウイングは肘から弾くんだよ。」と言いました。これも又言葉通りに受け取ると、弓は弧を描いてしまうことになります。つまり、右手は弓が真っ直ぐに弾ける様に動かさなければならないが、力(エネルギー)の出どころは肘だという意味だと思います。
こうして、この先も私が何も分からずにバイオリンを弾いていたということがどんどん暴かれていくのでした。
この続きはまた次回にお話します。

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